【2010年度 社団法人枚方青年会議所 理事長所信】
河本 大成

SAMURAI JAYCEE
~今こそ古(いにしえ)に学び、郷土愛を持って一歩踏み出そう!~
侍JAYCEE
次世代に「OMOIYARI」を伝える責任と
誇りうる風土を守り続ける覚悟をもって団結せよ!
愛に満ち溢れたJCで夢をかたちに変えよう!
光輝くまち「ひらかた」の実現へ向けて!
はじめに
青年会議所運動は1949年、戦後廃墟の中「新日本の再建は我々青年の仕事である」との使命感を胸に始まりました。その後、日本中にJC運動の灯りが点り、社団法人枚方青年会議所は、1962年に全国221番目の青年会議所として誕生しました。以来48年間、創立当時に宣言された「我々は、常に団結の力により創造者としての勇気と実行力をもって地域社会の進歩発展に寄与せんとするものである」という高い志は、先輩諸氏より今日まで脈々と引き継がれ、現在の会員の熱い情熱と高い規範意識となり保たれています。そして私たち会員は、社会環境や人々の価値観などのライフスタイルが加速度的に変化してく現代社会においても、変革の能動者たらんとする青年として今一度創始の精神に立ち戻り、諸先輩方の掲げた夢がどこまで現実化されているのかということをしっかりと確認し、更なる「明るい豊かな社会」の実現に向けて邁進しなければなりません。先輩より半世紀近くに亘り受け継がれてきた情熱そしてJCスピリッツを念頭に、新しい時代に対応する組織や新しい地域づくりを考えなければなりません。
本年度は組織としても大きな節目となる50周年を見据え、変革しなければならないことと継承していかなければならないことを正しく見極める見識を養い、目指すべき夢に立ち向かう勇気を新たな原動力として新しい一歩を踏み出し、未来へ向け夢を現実化する基盤を構築する1年にします。
変革と継承のバランスを見極める
近年、経済のグローバル化という大号令の下、能力主義、効率性重視の社会に変化をした日本社会は、その社会全体が「お金さえ儲かればよい」といった拝金主義や「自分さえ今さえよければよい」といった利己主義・刹那主義が横行し、公共心が失われているように感じます。もちろん我がまち枚方でも例外ではありません。私たちは公共心を取り戻すためには地域コミュニティの活性化が最も必要だと考えます。
私たちの諸先輩方も、半世紀にわたって着実にこの地域を良くするためにさまざまなまちづくり運動を展開されてきましたが、今後求められるであろう、「持続可能なまちづくり運動の実現」へと進化を遂げるために、今一度過去に行ってきた様々な運動を検証するとともに、この地域で共にまちづくり運動を行っている各事業参画団体との確かなコンセンサスを確立し、何を継承しなければならないか、何を変革しなければならないかをしっかりと見極める必要があります。そして、JCと地域住民や子どもたち、また共にまちづくりを行っている各事業参画団体と共に実践することにより、私たちが抱く夢が地域全体の夢へと発展し、枚方に住まう住民の「繋がりと自発性」を育み、光輝くまち「ひらかた」が実現すると信じております。
説得力ある道徳心教育の実践
聖徳太子が604年に制定した十七ヵ条に「和を以て貴しとなす」とあるように、豊かな自然環境に恵まれた日本人は、礼儀を重んじ、常に人に対して思いやりや人情を持って接する共生の民族であったかと思います。そして比較的最近まで、近所の人に留守中のことを頼んだり、調味料を貸し合ったりする光景が日常的に見られました。一方、たとえ他人の子であっても叱るべきことは叱り、子どもが困っていれば我が子と同じように助け、現代とは異なる地域での人と人との絆や心の結びつきがあったように思います。
しかし、数年前の大阪府下での小学校児童殺傷事件などが起こって以来、枚方に住まう子どもたちにも外部からの接触を閉ざさざるをえない状況下にあり、地域の大人と子どもとの関係は更に遠のいたように感じます。私たちはそれらの諸事情を克服するために、2008年度より「倫理道徳教育プログラム」を子供たちに向けて実践、展開してまいりました。このような時代だからこそ地域に住まう大人が地域の子どもを育てる寺子屋的モデルが必要であり、地域の子どもは地域全体で育てるという理念を念頭に置き、JCと地域の方々が共に実践し、共に育ち、共に創造し、共に夢を抱きつづけることで、「繋がりと自発性」を育み、新たなコミュニティモデルへと進化させることが、地域の教育意識醸成の実現に繋がるものと考えます。また、現在社会においては子どもをどのような大人に育てていくかといった理念よりも、そのプロセスや方法論ばかり議論され精神的な支柱を失ったように感じ、「社会的リーダーになる」というよりも「経済的な勝者になる」という意味での「立身出世」を追い求める傾向が感じられます。私はこの国の教育で最も大切なのは、正確な知識を身につけることはもとより、日本人が培ってきた道徳的価値観、すなわち「自らの住む国や地域のことを想い、社会に貢献できる人になって皆から尊敬される人になる」という価値観を学ぶことの意義を伝えることにより、自立した個人としての健全な自主性を育むことだと考えます。そのためには日本の正しい歴史観や伝統的な精神性を、地域の大人が伝えなければなりません。そのことにより「この国に生まれて本当に良かった」「このまちに生まれて本当に良かった」という日本人として、そして枚方市民としての自信や誇りが生まれ、「この国のために、このまちのために貢献したい」という健全な自主性をもった次世代の子供たちを育み、彼らにこのまちを担っていってもらうことこそが光輝くまち「ひらかた」の実現へと導くのだと確信します。
枚方フェスティバルについて
2004年の設立時に掲げた「発信しよう 我がまちの誇り!」という理想を胸に、我々JCと各参画団体が大きな夢を抱き進んできた枚方フェスティバルは6年目を迎えました。今こそ、当初に掲げた理想がどこまで現実のものになっているのかをしっかりと検証をするとともに、枚方フェスティバル協議会を通して叶う「明るい豊かな社会」への道しるべを確立する必要があると考えます。また、枚方フェスティバル協議会が更なる発展を遂げるには我々JCはもとより、各参画団体の方々に各役割においての、自らの堪能な能力や知識を生かし主体的に協議会運営に取り組んでいただくことが、今後の最重要課題であると考えます。もちろんそのために「市民による市民のための市民のまつり」がどういうものかということを念頭に、一人でも多くの方々に賛同していただける受け入れ環境を確立し、JCと地域に住まう人々と枚方フェスティバル協議会に参画される方々が、フェスティバルを通じて共に枚方の歴史・伝統・文化を確認し発信することがとても重要であると考えます。そうすることにより、参加された方々がこのまちに愛着を感じ、我々の抱く夢が地域の夢へと発展し、継続的な運動展開が枚方に住まう住民の「繋がりと自発性」を育み、ひかり輝く誇りある地域へと醸成され、「明るい豊かな社会」の実現に繋がるのだと考えます。
そして今後、公益法人格取得に向けた枚方JCの進むべき道筋と、どのような組織形成が必要なのかということも考えなければなりません。設立当時に掲げた「発信しよう 我がまちの誇り!」という発信力の向上に向け、今後も産・学・官・民が一体感を持って運営を行うまつりへと進化を遂げなければなりません。この枚方フェスティバルが発展を遂げることが、枚方JCへの地域からの信頼性の向上にも繋がり、そしてまた、自立した市民社会の創造に向けた効果的な市民意識変革運動となり、光輝くまち「ひらかた」が実現すると考えます。
政治への関心から始まる「地域愛」「愛国心」
日本青年会議所では2005年度より真に自立した国家を目指し、私たち日本人の手で憲法をつくる運動を展開してまいりました。その後、2007年5月「日本国憲法の改正手続きに関する法律」が公布され、いよいよ本年5月18日より「憲法改正国民投票法」が施行され憲法改正が現実に可能となります。私たち枚方JCにおいても、2008年度に憲法タウンミーティングを開催し、憲法について市民の皆様とともに議論を深めましたが、今後は我がまち枚方でも国民投票が実施される可能性があります。
今後、憲法改正にかかる国民投票に向け、地域に住まう人々が国家や自らの地域の様々な問題点に対して、自らで考え、確かなリテラシーを備えたうえでの国家観・地域観を持つことが必要であり、それには先ずは有権者の方々に政治や憲法などに対して関心を高めていただくことから始まるのではないでしょうか。マザーテレサの名言には「愛の反対は、憎しみではなく無関心である」とあるように、地域や国のことに関心を抱くことこそが、我々が常に願っている「地域愛・郷土愛・愛国心」を広めることができるのだと考えます。また地域のことを考えるうえで、国家に属している地域としての地域ビジョンと、多くの地域の集合体であることを踏まえたうえでの国家ビジョンのバランスをとることも重要であると考えます。私たちは地域に根差す青年会議所として、今後地域の視点から考える理想の国家像を創造し、市民意識変革を促す組織となることで地域での信頼性の向上へと繋げ、光輝くまち「ひらかた」を地域に住まう人々と共に創りあげていきます。
恒久的な世界平和を目指して
青年会議所は世界で4,780LOMがまちづくりを行っている世界的な組織であります。本年、そのJCIの世界会議が世界115カ国の多くの方々を対象に大阪で開催され、我々枚方JCは副主管を担います。JCIの活動目的のひとつに恒久的な世界平和の実現があります。私たち日本の青年会議所は真の世界平和を目指した国際交流を行う上で、決して切り離せない問題に歴史観の相違というものがあります。戦後60余年が過ぎ、様々な歴史事実が浮き彫りになってきた現在、我々は日本国民の一人としてこの国の歴史から世界に誇れる日本の心を学び、日本人としての誇りと自覚を持ち、十分に自分の国のことを知ったうえで交流をすることが必要であると考えます。そのためには双方が「OMOIYARI」の心を持って、相互理解をしていかないと成り立っていかず、現代の国際社会において我々の立ち位置をはっきり定めた民間交流こそが国家間を超えた真の友情を築き、恒久的な世界平和に近づく第一歩であると考えます。
この度の副主管という大きな担いをチャンスと捉え、世界会議の成功へ向け積極的に参加し、日本人らしさ「OMOIYARI」、宿場町である枚方人らしさ「OMOTENASHI」をもって世界に日本、枚方を大きく発信しましょう。
朋あり遠方より来たる
私たち枚方JCが、国際交流の一環として姉妹締結している台湾彰化JCとの交流は、今年で43年目を迎えます。現在、台湾は親日派が多く、我々の朋である彰化JCのメンバーも親日でありますが、悲しいことに台湾と日本との国交が結ばれておりません、国交のない国民同志が42年間もの永きに渡り、諸先輩方より脈脈と受け継がれてきた交流の意義は、私たちにとって絶大であり、43年目を担う2010年度はLOM全体でのおもてなしの実現を目指す年であります。お互いの地域社会の産業・文化・教育の相互理解はもとより、台湾と日本の歴史のなかで、我々の先人たちと台湾の人々がお互いの国のために協力し合い、いかにして共生していたのかを学び、交流する国のことをしっかりと理解することが重要であります。歴史を学ぶことにより相互理解を促すことで更に友情が深まり、未来永劫絶えることなく続く真の友好へと進化を遂げることができると考えます。
また国内においても姉妹JCとして、中村JCとの交流が37年目を迎え、枚方市と四万十市(旧中村市)は友好都市としても提携36年を迎えます。JC間交流から自治体レベルまでの交流、そして友好都市提携にまで発展した功績は私たち枚方JCの誇りであり、永きに亘る交流の歴史を紐解き先達の思いを継承しつつ、互いの地域社会での歴史・伝統・文化・経済を理解し、交流事業を通じてお互いの地域発展に寄与します。
志高い青年経済人の拡大
全国各地の青年会議所で会員の減少が深刻な問題となっております。社団法人枚方青年会議所でも少しでも油断すると、瞬く間に会員減少となることはいうまでもありません。会員の減少はJC活動に支障をきたすことも予想されますが、それを解決することを最大の目的とした会員拡大ではありません。我々JCが会員拡大運動を実践すること、すなわちその時代におけるJC運動を実践する意義と目的、そして地域での存在意義を再確認することができます。また会員拡大運動の実践は、JC運動の理解者を地域全体に拡げる有効な手段でもあり、将来を見据えて幅広い対象者に向けて展開していく必要があります。もちろんJCは常に20歳から40歳までの会員で構成され、絶えず新陳代謝を繰り返し、単年度制という瞬発力を最大の武器とした組織であります。そのためには常に新たな風を必要とし、その後その風は成熟されオピニオンリーダーとなり、各地域での実践者として旅立ってまいります。青年会議所はまちづくり、ひとづくりを通じて青年経済人が、スキルを学び、自己を高めことのできる団体です。「変革の能動者たらんとする青年として燃えたぎる意思」をJAYCEEの原動力として、我々の持つ無限の可能性を研ぎ澄ますことのできる「人生における志の大学」でもあります。そのような成熟されたオピニオンリーダーを一人でも多く生み出せるよう会員拡大に取り組むことにより、我がまち枚方が活性化され、明るい豊かな社会の実現に繋がると確信します。
地域を愛する立志の経営
2008年9月、米国発サブプライム問題に端を発した金融不況は、世界的な大不況へと発展しました。そして私たちの活動エリアである枚方の地域経済にも不況の波が押し寄せ、地元企業の業績悪化が叫ばれると同時に自治体の税収も減少し、様々な分野での予算削減が余儀なくされました。地域経済の復興は明るい豊かな地域社会を形成する上で大きな要素であります。また我々のJC活動である奉仕・修練・友情も、自社の健全な経営のうえに成り立っており、JC運動を行ううえで、健全な持続的経営が必要とされております。松下幸之助翁の語録には「不況、難局こそ、何が正しいかを考える好機である。」とあり、不況という時代こそ様々な実例により何が正しいのかを学べる時期であり、新しい時代に向けた経営計画を実践するチャンスなのです。若き情熱でピンチをチャンスに転換できるのは、様々な人が集うJCだからこそ可能なのです。また、我々JAYCEEは常に仕事をするうえでも地域に住まう人々と様々な形態で関わっています。志高い青年経済人は責任ある立場の自覚を兼ね備え、将来に向け大きな夢を描きつつ企業活動を通して地域社会に貢献することこそが、我々の目指す地域のオピニオンリーダーとしてのあるべき姿ではないでしょうか。
公益社団法人格取得に向けた有機的組織
2009年度第2回定時総会にて公益社団法人格取得案が賛成多数で可決承認されました。本年度も引き続き監督官庁との取得申請に向けた折衝に進んで参ります。
公益社団法人格取得に対しては全国の青年会議所でも様々な考えがあります。奉仕・修練・友情を三信条に掲げる組織として、枚方JCが歩んできた事業の一つひとつを具体的に検証していき、監督官庁との折衝を進めて行く中で様々な諸問題と向き合い議論を重ねていき、将来を見据え組織のあるべき姿を考える必要があります。その結果、永きに亘り受け継がれた枚方JC独自の事業や会員向けに行われる事業は、幾分の変更を迫られる可能性も考えられます。また同時に我々が近年行ってきたまちづくり事業についての枠組みも再考を迫られる可能性もあります。今後、公益社団法人としてのビジョンを確立しなければなりませんが、半世紀近く諸先輩方から永きに亘り受け継がれた歴史と伝統も重く踏まえつつ、組織進化のための道しるべを指し示す一年が本年2010年度であります。
JAYCEEの発信がまちを動かす
枚方青年会議所は47年間の永きに亘り「市民意識変革運動」を実践し、地域に住まう多くの人々と関わり協力しあい、地域コミュニティのかたちづくりに功績を残して参りました。その成果は枚方フェスティバル協議会やこどもミュージカル実行委員会などでも形となり、「市民意識変革運動」は時がたつとともに浸透していきました。しかし、認知度はまだ決して高いとは言えず、我々JCは常に地域での認知度の向上に向けた情報発信方法を模索している状況が続いております。しかしすべてにおいての広報活動とは、地域に住まう人々が運動の魅力を感じられることや当事者意識を感じていただける内容が大切であると考えます。地域メディアとの連携強化はもとより、事業ごとに目指す方向性や分野がリンクしやすい情報誌・機関誌などと連携して情報発信することが、更なる認知度向上にも繋がるでしょう。また、地域に住まう人々と触れ合うことの多い会員拡大運動や各参画事業でのメンバー個々による情報の発信も重要な広報活動であります。LOM一丸となってJAYCEE一人ひとりが広報・会員拡大・各参画事業での運動で、各自意識をもって情報の発信をしていけば、徐々ではありますが、確実に地域でのJCの認知度は向上すると確信します。
最後に
我々JAYCEEが、日本が世界に誇る「武士道精神」を胸に抱き、この地域で活躍することが光輝くまち「ひらかた」の実現に繋がると確信します。
「 Noblesse(ノブレス) Oblige(オブリュージュ) 」
人にはそれぞれ果たさねばならぬ社会的責任と義務がある
「義」先達より受け継がれた揺るぎないJCスピリッツに裏打ちされた決断力
「勇」JAYCEEとしての使命感と勇気を持った実行力
「仁」次世代に向け思いやりを伝える愛情
「礼」JAYCEEとしての品格と礼儀を兼ね備えた謙虚な心
「誠」正直に真っ直ぐに志を伝える誠実な心
私たちは「 Noblesse(ノブレス) Oblige(オブリュージュ) 」責任ある立場の自覚を基軸に、「義」「勇」「仁」「礼」「誠」すべてを兼ね備え、地域を担う責任世代として、愛に満ち溢れた高潔で徳高い日本の心を胸に、「枚方のために」「大好きな枚方のために」何事も諦めず、青年らしく無限の可能性を信じて勇気をもって全力で邁進しましょう。



















